いまやオンラインビデオ配信サービスは沢山ありますが、どこに何があるのかを網羅しているほど詳しい人はそれほど多くないでしょう。
YouTubeを知っている人は増えてきているみたいですけど。
さて、アメリカのヤフーが、乱立するあまたの配信サービスとネットユーザーの間を取り持つようなサービスを始めました。
▼ ヤフー、YouTube風の動画配信サイト「Yahoo Video」を公開
Yahooは、新しいビデオ配信サイトを立ち上げた。同社は、YouTubeが火付け役となり、今や大人気となったバイラルビデオから利益をあげたいと考えている。
Yahoo Videoに投稿されたビデオと、他のビデオ配信サービスのビデオが同じように並んでいます。また、画面下方から投稿することができます。
投稿されたビデオはクリックするとその場で見ることができます。ビデオのリンクをメールで知らせたり、サイトに貼り付けるためのembedタグも用意されています。
一方、「Source」にURLが書かれているビデオをクリックすると、他の配信サービスに飛び、そのサービスを利用して見ることができます。
それぞれの配信サービスは、ビデオを見るまでの手順や再生ソフトの条件が異なるため、さっと見ることことができなかったり、再生そのものができなかったりと、かなりバラつきがあります。
「ひとつのWebサービス内では操作方法は統一されているものだ。」そんな先入観でYahoo Videoを使うと「この混乱は何なのだ?」と思ってしまうかもしれません。(僕はそうだった)
けれどこれは解釈の仕方で、検索サービスを使った場合、検索結果のリンクをクリックしたあとは、それぞれのサイトの「作法」があるのと同じです。
Yahooのソーシャルメディア部門ゼネラルマネージャーJason Zajac氏は「われわれの目的は、(ユーザーが)ウェブでビデオを探す際の出発点になることだ」といってるわけだから、これはコンセプトどおりの仕上がりなんでしょうね。
さて、いくつか気付いた点。
Yahoo Videoは始まってすぐのサービスです。
サービス初期はまだコンテンツが集まらず、コンテンツの少なさは、そのサービスの魅力の少なさになります。
そんなとき他の配信サービスに溜まったコンテンツを紹介できるというのは、自分の事業体にまだコンテンツが充実していなくても、沢山の番組を用意できるメリットがあります。
将来的ポジションも、ビデオサーチポータルを目指すのであれば、ぶれはありません。
また、YouTubeで著作権を侵害したコンテンツが随分問題になっていますが、そのコンテンツを配信しているところが外部であれば、訴訟リスクを切り離すことができます。
最後に今後のポジションは、どこへ向かうのだろう?という点。
人とビデオデータが合わさったバイラル効果に着目していることでは、YouTubeもYahoo Videoも共通です。
けれど、YouTubeはビデオを起点にしてコミュニケーションネットワークが繋がっていくことにこだわっているから、一般に公開されたビデオには「メールで知らせる」「ビデオのURL」「他のサイトに貼る際のembedタグ」の3点セットを付加することで統一しています。
そうした仕様を施さないことからみると、Yahoo Videoは、YouTubeとは違った行動基準をもっていることがわかります。
では、ビデオによって利益を上げるなら、どっちの方法が有効なんだろう?
今後観察したいところですね。
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