FPNでYouTubeに関する勉強会が開かれたそうだ。
R30さんではこのときのグループワークを通じて、動画版アドセンスが付くと予告している。
誰しもそう考えるんだろうなあ。僕もそう思うし、また、そうやってコンテンツを作る人に還元する仕組みができたら良いとおもう。
暴論を吐くが、音声コンテンツや映像コンテンツをネットに出すことの報われなさといったら、そりゃあ酷いもんだ。
手間と製作時間がエラクかかる割には、直接には1円にもならないし、勝手にコピーされて持って行かれるし。そのうえ視聴者から反応も無いときたら、何のためにやってるのかまったくわからん。
コンテンツをお金に換えて製作者に還元する仕組みについては、虎の穴やメッセサンオー、DL.comで同人誌を売買している環境のほうがよっぽどしっかりしている。あちらには物を売り買いする場所ができているけど、こちらにはその場所すらないからな。ヌケるかヌケないかの違いこそあれ、どっちも個人の活動でできる製品なのに、この環境の差はなんなんだと不条理すら感じていた。
そういう背景があって、ヌケる物が作れなくてもメジャーじゃなくても、ネットに出すことでアドセンスなどにより収入が生まれる可能性ができたら、製作者にはモチベーションとして寄与するだろう。
さて、そのアドセンス的なものを導入するには、取り扱いにいささか注意が必要だ。
著作権に違反したデータでもタグに紐付けられた広告がくっついて、それが収益を上げるとなったら、違法コンテンツで利益を得るわけだから、著作権や放送権を持っている側からの監視・攻撃はより一層きびしくなるだろう。
ケーススタディとしては、最近だと、2ちゃんからのコンテンツ流用で炎上し、閉鎖に追い込まれた2ちゃんまとめ系サイトが記憶に新しい。
そして、人気コンテンツほど違法コピーが蔓延するのだから、たくさんの競合配信者があらわれることで、真の著作者にリーチする確率が減ってしまい、収益を得て報われるべき人間が報われなくなる。
これは3Dガンダムの作者の方が不幸なケーススタディとして参考になる。人気が出れば出るほど著作者が儲かりにくくなる構造では意味が無い。
そんなわけで、広告収入を分配するならば、著作者・バズに協力した配信者(動画を貼ったブロガー等)・ハブとなったサイトと三者の立場を明確に分け、それぞれが獲得できる利益を区別するべきだ。
たとえば、動画を貼ったブログがあって、動画の中の商品に興味を抱かせる文章が添えてあり、その効果で広告がクリックされたとする。
このときクリックされたのブログに広告料が落ちるが、そのうちの数%が動画の著作者にも流れるようにする。
優れた動画を作って、たくさんのサイトに貼られると、貼られた分だけ著作者へ還元される量が増えるわけだ。
そうすると、動画を貼って配信インフラを形成し、告知に協力したブロガーも、動画の著作者にも利益が生まれる。
また、違法コンテンツがアップロードされたことを考慮すると、もう一つのルールもほしい。
それは、配信関連で広告収入が発生するのは、著作者登録がなされたものだけに設定する。
著作者の登録がないビデオコンテンツは、広告は載るがクリックされても誰のところにも利益が落ちない。というもの。
利益を受けやすい順位を整理するとこうなる。
著作者(++)
↓
著作者登録アリ動画を貼ったブログ(+)
↓
著作者登録ナシ動画を貼ったブログ(0)
↓
違法コンテンツをアップした者(0or-)
どうせ貼るなら、正規のものを使うほうがメリットがあるし、自分から作り出したほうがさらに多くのメリットを享受できることが分かれば、+に向かうインセンティブになる。
もし違法コンテンツがアップロードされても、それを配信するメリットがない(あえてそういう物を集めているなら別だが)ので、出自のきちんとしたコンテンツがより多く露出できるようになる。
権利に関しては別途、著作者側には製作した人と放送権・送信権を持つ者が別な場合があるから、その辺の契約上のこじれは、アップ&登録する側で折り合いをつけといてくださいね。って問題がある。
もうひとつ、登録してきた著作者が本物なのかを担保する仕組みが必要だ。運用しやすくて確度が高い方法が望まれる。
あと、現在よく見かける「動画の再生ボタンをいちいち押さねばならん」インターフェースは、もっと改善の余地があると思う。常にコントロールが必要なコンテンツを見ていると、疲れて長時間見ていたいと思えないからだ。
見ていても苦にならないというのは、動画の露出量を増やす要素になるので、ぜひ改善したい部分である。
なんか無理矢理だけど〆。
子供と動画によるゲーム攻略サイトを作ったとき非常に感じたのだが、子供だって得意な分野の情報については侮りがたいネットワークを持っているし、いい話を押さえている。これを露出させるために僕は仲介をしていた。
でも、自分のセガレ以上に素早く攻略して友達のガイドをしている子供もいて、そんな「きみは僕よりずっと良いネタを持ってるねえ」っていうある種のコンテンツが、個人レベルとか、せいぜい友達との雑談レベルで消化されている。
この例は子供とゲーム攻略だけども、こういう「広く露出することは無いけど、おもしろい」コンテンツはたくさん埋もれている。アウトプットする労力に報いる仕組みが構築されることは、埋もれてしまうはずだったコンテンツを引き上げる力になりうるし、動画コンテンツもアウトプットされる絶対数が大きくなれば、興味深く面白いモノに出会う確率が増したり、面白いものだけで視聴時間を満たすことも可能になるだろう。そういうムーブメントになってほしいと思う。
まあ、なんだかんだ書きましたが、要するに僕も行きたかったなあってエントリーでした!
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