NTTドコモがケータイ版YouTubeのようなサービスをはじめた。「Vライブ オープンタイプ」という。うっかり「ボーダフォンライブ」と読んじゃいそうなところにご注意だが、ケータイで動画を見せようぜ。というサービスだ。その理解促進ページがCNETにあった。
第1回
動画をみんなが楽しめる「Vライブ オープンタイプ」ってどんなサービスなの?
記事は、個人ユーザーが動画配信しやすくなったとの切り口から、個人で使う際のお勧めのコースなどを解説している。これを読んで思ったことをいくつかメモしておく。
PCの場合はブロードバンドインフラの恩恵である定額制料金体系によって、リッチメディアコンテンツを見る際にパケット料金がどうしたなんて気にならなくなったが、ケータイの場合はそうはいかない。パケ割やダブル定額のようなパケット割引サービスがあるものの、依然として「使わなければ安く上がる」環境である。このサービスも定額制には対応していないし、視聴に掛るコスト体系としては以前のままだ。
そこをぶっ飛ばしてのこのサービス。パケット収入の底上げが目的なんだろうなあ。と、つい穿った見方をしてしまう。
Vライブの一番の特徴は、サーバが稼動している限りライブストリーミング配信が可能という部分。スカイプチャットや、iChatの向こうを張れる便利ツールじゃないか?と思ったが、そのためには数百万からの投資が必要というから、パーソナルユースはムリ。本来は事業者向けに開発されたツールなのかもしれない。惜しいなあ。テレビ電話事業とバッティングしてしまうせいもあるんだろうか。
なお、FOMA向けエンコードは、動画製作者がエンコードツールを使って自力で行なうしようとなっている。YouTubeなどは投稿する場合の動画ファイルの形式は、主要な形式ならほとんど何でもOKで、YouTube側で配信に適したFlashに変換しパブリッシュしている。
YouTubeに限らず、ケータイムービー投稿サイトのFlipClipでも、動画投稿サイトがみずから発信する際に望ましい形式があるとしたら、そのための変換は動画投稿サイトが行なうというのが、このところ出てくるサービスのスタンスだ。ユーザーに技術障壁を越えさせないようにするのが普及の早道と考えた対応だと思うが、こうしたトレンドとは違う考えのようだ。
あと、メーカーへの配慮なのか動作保障の関係か、月額8,000円のエンコードツールが紹介されているが、携帯動画変換君を使えばその部分も無料にできる。すると「ケータイ向け動画共有をコスト0円でやれる!」と言えるんだが、インパクトが弱まっている。
ニュースを見てすぐのタイミングでは、「ちょっと良いかもしれないぞ?」と期待が大きかった。しかし、詳しく読み進むにつれて、ケータイでの動画配信にまつわる障壁を見てないなあとの感想に変わって行った。
中の人は大変ですね。
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