FPNでこの本の紹介を見たときには、今すぐTVCMの価値が無くなったと決め付けるのは、早計なんじゃないかなあと感じました。ネットの側に肩入れしすぎた見方なんじゃないかと。
しかし、CMの影響力が低下していることや、テレビ番組視聴率が低下してきていることもよく知られた事実です。
そうした環境下での事例やヒントがたくさん載っているらしいと、情報考学さんで書かれていたのを見たので、それでは読んでみようかなと思った次第。
さわりを読む限りでは、単発の商品を売るためにどうするかというより、ブランド構築と認知・浸透を目的とした広告戦略について語られているようです。
顧客とのコミュニケーションをどう取っていくのかは長きに渡るテーマであり、その答えとして成功したブランドの事例などがあるらしい。
関連して思い起こされるのが、最近mixiでコミュニティをつくったものの炎上→閉鎖に追い込まれたプッシュトークの展開。同様にキャンペーンブログが炎上し閉鎖した携帯音楽プレーヤーもある。
これらは、クチコミ・コミュニティを利用すれば、なにかイケルかもしれないと個別商品の売り込みに仕組まれたものの、消費者に燃やされてしまった失敗の事例です。
片方は成功し、片方は失敗に終わった。
双方の違いはなんなのだろう。
現在プロモーションを仕事にするものとして知っておくべきことだと思うし、また、ネットに関わって何らかのサービスをやる場合、それはコミュニケーションを扱う場になるわけで、CtoCやBtoCコミュニケーションをとりもつモノとしてどんな器を用意したらいいのか。それを考える視点にもなるでしょう。
もうちょっと違うレイヤーでは、消費者を巻き込んだエンターテインメントをやろうと思っても、消費者のクリエイティブ能力は過信してはいけない面があります。質は石玉混交というか圧倒的に石ころが多いし、技術も環境も十分でなく、モチベーションだってかなり低め。出来上がったものを見ると「やっぱりプロが作ったものの方が安心して見られるな」ということがしばしば。
それは、「TVがダメだから、全部ゴミ箱に捨てて消費者に任せれば良い」なんてことは無いことの現われ。
そういうこもごもを見ていくと、なにかがわかったり、わからなくなったり、ますます迷ったりします。
答えとまではいかないまでも、ヒントの一端がつかめたら良いな。
関連リンク:
この本の第一章が監修者の方のサイトからダウンロードできます。
http://www.digitalmediastrategies.com/lifeafter30/TVCM.pdf
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