だいぶ旧聞になるけれど、auのLISMOについて。
各種プロモーションでは、音楽を切り口に押していますが、あれにとても違和感を感じています。
どうやら世間的にも違和感があったようです。
ITmediaでそれを示すアンケート結果がでていました。
でも、あまりにも突っ込みやすいために、熾烈な競争を続けているauらしくないなあと、別の違和感も感じます。
これはなんなのだろう?
まずは、もとの記事。
▼ 結果発表:「LISMO」は「iPod+iTunes」には勝てない? (1/2)
グラフのとおり、全体では8割強がiPod+iTunesを支持するという結果になった。auユーザーに限れば比較的LISMOを支持する傾向があるが、それでも76.6%は“iPod派”。
LISMOについて調べていくと、あれは携帯電話のデータを管理するのをやりやすくするものだ。との理解にいきつきます。
PCを着うた・動画・写真等データの貯蔵庫とし、携帯電話と行き来する、そのゲートウェイとして便利に立ち回るツールなんです。
そうした性能であるにもかかわらず、認知のフックとして音楽を出してきました。
しかし、無理があります。
アンケート結果にもあるけど、着うたはiTunes Music Storeで買える曲に比べると、曲数が少なく、価格が高い。 KDDIの執行役員コンテンツ・メディア事業本部長 高橋誠氏はLISMOの音楽について、CNET japanの記事で「われわれはちょっと気になったときに楽曲を1曲ダウンロードするというようなライトユーザーが中心だ。」と述べているので価格を抑えたいのでしょうが、思うように行くかは未知数です。
(同記事3pより引用)売れ筋のアーティストの楽曲で見た場合、着うたフルの1曲あたりの価格が315円と、PC向けの音楽配信サービス(157円から270円程度)に比べて高いことから、DUOMUSIC STOREでの楽曲の販売価格に注目が集まっている。この点については、「着うたフルと同じように、コンテンツホルダーが値段を決める」(八木氏)と述べるにとどめた。
KDDIには価格コントロールの権限はない様子がうかがえますね。
音楽配信でバンバン出していくには、まだ脇が甘いんです。
ところで、ここで一つ目が行く所があります。
一連の「LISMOの音楽ってイケテないよね論調」というのは、もしかしてPR作戦なんじゃないか?と。
普通に考えれば、先行者に対して武器がない、むしろ見劣りするものを大々的にプッシュするなんて、愚かなことです。「ライトユーザー向け」と言っておきながら高い価格設定がされている矛盾など、見落とすはずがありません。
自分達の力で変えられるものなら、絶対に直しているはず。
登場期のキャンペーンによって、LISMOは認知され、やや否定的な見解が多いけれど注目はされたままです。そして、否定される原因になっているものは、暗に示されています。
「コンテンツホルダーが値段を決める」と。
整理しますよ。
「関心が集まる」→「世間の不特定多数の人が『高いよね』と文句を言っている」→「態度を改めるべきはお前だ」という構図ができています。
これって、KDDIがコンテンツホルダーを説得する上で、材料になりますよね。
穿った見方ですが、そうして検証するとこういうことかと。
・PR作戦のミッション
「楽曲のコストを下げる。そのため世論の武器を作る」
・お膳立て
LISMOは派手にアピール、注目度を上げておく。
リリース時には矛盾点をあえて露出。
突っ込ませておいて、何が悪いのかを突っ込んだ人に見つけさせる。
・刈り取り アンケートを実施して、サービスの問題点を吸収。
同時にコンテンツホルダーの価格戦略が批判を買っている証拠を入手。
・コンテンツホルダーを説得
音楽ダウンロード定額制など、お互いに食いっぱぐれない料金戦略を手土産に。
・グーンとオトクになりました!
「ガンガン落としても、お値段そのまま」との切り口で割安感強調。 (ダブル定額が登場したときを参考に)
今回のアンケートで「200円台なら買える」と、落しどころも見えてます。
同じ材料は、通信でダウンロードすることに対して圧力を掛けているものにも使えますから、もう一つの弱点「曲数の少なさ」も同時にブレイクするんじゃないかと予想。
ま、勘繰りの世界ですが。
コメント