先のページで、PSPWareのメリットとして上げた、「一度の作業工程・単一のファイルでPSPにもiPodにも対応」は、発信者としてはメリットが非常に大きいです。
より広い対象に向けて、視聴環境に合わせたいとしたとき、作業時間と占有ディスク容量を節約できますから。
しかし、製作にひと手間かかるのと、画質はMPEG Exporter TNGのほうが上。と書きました。
ここでは、画質、容量、使い勝手の面で、簡単に比較したいと思います。
●画質
この画像は、PSPWareでエンコードしたもの。
こちらは、MPEG Exporter TNG 2.392でエンコードしたもの。
比較すると、MPEG Exporter TNGのほうがシャープ。ハーフトーンの再現も良いです。
動画の冒頭部分に黒いブロックノイズが発生するが、割り引いてもあまりあるクオリティですね。
PSPWareのほうは比較すると眠い。
これで最高クオリティであり、カスタマイズで調整する余地はありませんでした。
付け加えると、MPEG Exporter TNGは、この上さらに、画質 / 容量の面で有利な圧縮形式、H.264を選べます。
試してみると上のサンプル画像とほとんど同じ画質で、6 MB(!)と非常に軽くなります。
※それぞれの画像の設定条件:
PSPWareでは映像クオリティに「最高」を指定。
MPEG Exporter TNGは、MPEG-4デフォルトの状態に、フレームレート30fpsを指定。なお、変換エンジンには、ffmpegXというソフトのリソースから取り出したffmpegを使用している。
実行したマシンにはQuickTime Proがインストールされている。これによりH.264で書き出せている。
●ファイル容量
・PSPWare
(MPEG-4) | 6.17 MB + 4KB
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・MPEG Exporter TNG 2.392
(MPEG-4) | 14 MB
(H.264) | 6 MB
比べてみると、おなじMPEG-4なら、PSPWareで生成したものの方が軽いことが分かります。
画質が犠牲になってるのかな。
しかし、MPEG Exporter TNGでは、それを上回る画質で、さらに軽くできるので、MPEG Exporter TNGに軍配といえるでしょう。
さて、画質と容量の関係で「勝負あった」感があるMPEG Exporter TNGのだけど、いかんともしがたい弱点がありました。
●使い勝手
※11/04追記:
MPEG Exporter TNG 2.4が発表されました。「iPod用の設定のファイルは変換後に自動的にiTunesに登録されるようになりました。」とあります。バージョン2.392を元に「弱点」と書いたところは、打ち消しを入れておきます。実際に検証して確認できたら、記事を大幅に改訂する可能性があります。
・PSPWare
--------------------------------------------------
ブログに貼り付けWeb上で再生 | ○
--------------------------------------------------
iTunesの「Podcast」に登録 | ○
--------------------------------------------------
ビデオPodcastingとして、iPodに自動転送 | ○
--------------------------------------------------
・MPEG Exporter TNG 2.392
--------------------------------------------------
ブログに貼り付けWeb上で再生 | ○
--------------------------------------------------
iTunesの「Podcast」に登録 | ○(ファイルによっては ×)
--------------------------------------------------
ビデオPodcastingとして、iPodに自動転送 | ×
--------------------------------------------------
MPEG Exporter TNG 2.392でエンコードしたものをブログに貼付けると、iTunesの「Podcast」に登録され、iTunes上で再生するところまでは行きますが、iPodと同期をとる段階で「iPodで再生できないため、これらのファイルはiPodにコピーされませんでした。」となってしまうのです。
画面サイズにも圧縮率にも、カスタマイズは加えていません。
じゃあiPodで再生できるフレームレートなどをこちらで設定してやればいいのかな?
そう考えて、フレームレートに毎秒30フレームを指定し、サンプルレートに48 kHz を指定したH.264を用意しましたが、これにいたっては、iTunesの「Podcast」に登録すらされないありさま。
成功した事例としては、ブログからPCのHDに一旦ダウンロードし、iTunesの「ライブラリ」にドラッグ&ドロップして同期を取ったら、iPodの「ビデオ」の項目に入ったことがありました。
調べていると、Appleが対応していると言っている3つのファイル形式( .mov .m4v .mp4 )のうち、 .mov と .m4v のファイルも、同様のエラーメッセージによって、iPodにコピーできず、手動でダウンロード&コピーしたら見られることがありました。
もしかすると、MPEG Exporter TNGに問題があるのではなく、iTunesとiPod間での問題かもしれません。
ほかでも「ffmpegX、転送できないみたいよ?」と報告が上がってるところを見ると、もしかして、ffmpegXのリソースがダメなのか?とも思えてきます。うちも使ったし。
結局のところ、原因は特定できてないんです。
つか、二晩ほど明け方まで検証し、元ファイルから作り直すなどしても解決しなかったので、ちょっと手にあまるシロモノです。
そんなわけで、拡張性とiTunesとの使い勝手の面から、しばらくの間Vodcast用にはPSPWareを使う事になりそうです。
同様に、Win版のPSP向けエンコードツールimage conberter puls 2で変換したものも、まったく同一のファイルでいけるのかな?
ご苦労さまです。
こんなものが出てしまいました
http://japanese.engadget.com/2005/11/01/psp-media-manager/
投稿情報: ジェット☆ダイスケ | 2005年11 月 1日 (火) 20:42
見てきましたよぅ。
一瞬うほ!って思ったけど、有料ってとこが引っかかりますねえ。
レビュー見た限りでは、iTunes+iPodとの優位点が見いだせず、2300円払って同じ事すんのか?と考えちゃいます。
どうでしょう。
そうそう。
コンテンツを集合するというのを外部に対して行うという切り口で、こんなところがありますよ。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20089996,00.htm
投稿情報: ミズタマのチチ | 2005年11 月 1日 (火) 22:35
そこ、既にトラバしてましたw
投稿情報: ジェット☆ダイスケ | 2005年11 月 1日 (火) 22:49
お!
投稿情報: ミズタマのチチ | 2005年11 月 1日 (火) 22:57
こんなのもあります。
MoviesForMyPod - http://www.digigami.com/download/
QuickTimeに別の外装を付けた、といったソフトのようで、
H.264変換はQT同様遅いですが、確実にiPodに転送されます。
MPEG-4であれば、細かい設定を自分で決めて変換できます。
エンコードの仕組みはまんまQuickTimeなのですが、
フォルダ内の複数ファイルを順に変換させることができるというのが
メリットでしょうか。
ffmpeg系ではiPodに転送してくれないことが多く、
かといってQuickTime系では遅いんですよね。
結局私は、このソフトを使って、
寝ている間に複数ファイル変換することにしました。
どうも安定して動いていない気もしますが、
私の環境ではQT自体が不安定で、
その影響をそのまま受けているだけかもしれません。
また、インターフェースと操作手順にちょっとだけクセがあります。
投稿情報: satoru | 2005年11 月 3日 (木) 13:54
>satoruさん
おお!情報ありがとうございます。
確実に転送できるというのは一番重要です。
見られなくっちゃ意味無いですからねぇ。
このお話、「iPod用動画変換ソフト。」というまとめページを作ってますので、そちらでも紹介させてください。
投稿情報: ミズタマのチチ | 2005年11 月 4日 (金) 11:15
わ、記事中に引用していただけるなんて、
なんだか上等のレビュアーになったみたいで面映ゆいです
じつはその後、このソフト、あまり使わなくなってしまいました。
というのも、だんだん一度に多数のファイルをエンコードする機会が
なくなってきたからなんですね。
(前回書いたあとに気づいたのですが、
フォルダ内の複数ファイルを順に変換するというだけでなく、
そのフォルダへの新たなソースの追加などを常に監視しているようです。
かなり強く自動化を意識したソフトですね (いまいち安定しないですが))
いまはQuickTimeでひとつずつ変換しているんですが、
こいつにもときどき困ります。
元ファイルがすでにデータレートを抑えてあった場合などに
それよりも大きなデータレートでエンコードしてしまうことがあり
元よりも寸法を小さくしているのに
ファイルサイズが大きくなったりするんですよね。
それで
「そんな高画質でもiPodに転送できるなら、
画質を押さえてエンコードさせれば自分で条件設定しても大丈夫だろう」
と考えて、
もっとデータレートを押さえたMPEG-4(H.264)に変換したんですが、
iPodに転送してくれませんでした。
(データレート: ビデオ 384kbps / オーディオ 128kbps
ベースラインプロファイル、マルチパス(複数回)エンコーディング)
想像ですが、マルチパスの場合はビデオのデータレートがVBRになって
その際に最高値が768kbpsを超えたらアウトなのかな、と考えています。
で、384kbpsならさすがに大丈夫だろうと考えたんですが、
超えちゃったのか、別の理由があるのか、iPodには転送できませんでした。
QTが変換したファイルのほうは、
平均データレートはずっと高いくせにiPodに転送できるんですよね。
方々で言われているとおり、
どうもプロファイルやデータレート・フレームレートが条件を満たしていても
ほかのいまいちはっきりしない条件で弾かれることがあるようです。
マルチパスをあきらめれば他の設定は同じでも転送できるようですが、
画質にちょっと差が出ちゃいますので悩みどころです。
マルチパスでは転送できない、というわけでもなく、
500kbpsくらいまで抑えればたいていはうまくいくんです。
したがって384kbpsならまず大丈夫だろうと思ったんですが、
上記のとおり確実ではないみたいで…… 法則が知りたいです。
長くなってしまいました。
経験談が役に立てば、と考えたのですが、すみません。
最後に、現在期待のソフトを。
iSquint | http://homepage.mac.com/tylerl82/
アイコンのとおり iPodへの転送が主目的だということなので、
H.264対応を楽しみに待っています。日本語化もバッチリです。
投稿情報: satoru | 2005年11 月 8日 (火) 13:18
QuickTimeで書きだしたH.264がiPodでは認識できないってのは、ぼくも経験あります。
設定変更して検証するのも疲れたから、当面はMPEGでいいか。重さが気になるけど。と割り切った次第。
さらに、携帯動画変換君とかMPEG Exporter TNGなど、OKファイルを書き出せるソフトが出たので、QuickTimeがわけわかめな件は、記憶の彼方に打っちゃってしまいました。
投稿情報: ミズタマのチチ | 2005年11 月 9日 (水) 13:38