先日、Hardcodedのマナル店長と、Webdogのジェット☆ダイスケさんと、牛豚鳥とかニンニクをたべながら、Podcasting、とくにVodcastingについて、いろいろ話し合った。
自分がVodcastをやるうえで、「どーなんだろうか?」と疑問だったアレヤコレヤに新しいステージが見える体験だったので、備忘のためのメモを書き付く。
●視聴してもらうことについて。
・やってる人間にネームバリューがないなら、視聴者を引きつけようとする、仕掛けがいるね。
・ベタだけどお葉書募集とか。
DJラオウなんか第3回でハガキ募集したら119通もきて、次の回だけじゃさばけない事態らしい。
けど、自分のネタがどう料理されるかが楽しみってのはある。
・小さい声を拡声器に通して言ってもらえるのが快感みたいな?
有名人ブログにトラバを送って、次の機会に、自分の名前や言葉を乗っけてエントリ-にされたら嬉しかったっていうのと近いかな。
(意訳追加:ラジオ番組に投稿して、読まれるのを待ってドキドキするのと同じかも)
・Podcastingで、最適な長さについて。
ちょうどいいのは3~5分かな。単一の内容だと。
3分半すぎて落ちが見えないと、ナゲーなあ。まだかなあ。と飽きてくる。
4分ぐらいでコーナーが変わって、つまり絵もやってることも変わると6分以上でも見られる。
ダウンロードの重さは置いといて。
・しばらく公開しておいて、時期が来たら消えてしまうのって、「ああ、見なきゃ」みたいな動機になるのかな?
・ん~。そういうもんでもないかなあ。
だいたい動機付けして云々てもんではないと思うけど。
●Podcastingで、何かを得るには。
・KYOU Radio.comでは、一般の人が作ったPodcastingの中から、面白いものを探し出し、ラジオ放送をしてる。
INTERNET magazine 11月号によれば、「音楽著作権の使用料を放送局が支払い、優良なコンテンツやクリエイターを支援する予定」とあった。
小さい声が点在していたんでは、単体で集客/集金するのは難しいけれど、それを集めて大きく、というか多面的な面白みを持った一塊のコンテンツにできれば、視聴者数もそれなりの数字になっていきそう。
そうなるとスポンサーを付けてって話にも可能性が出てくるし、その稼ぎを番組提供してくれたクリエイターに分配するってサイクルができるんでは。
・このときコンテンツを集めるにはメリットが必要になってくるんだけど、それは例えば、
報酬が出せる
ネットからラジオのようなリアルな世界に広がる
トラフィックを誘導できる
だったりするけれど、それをどうやったらできるかっていったら、まだ、答えがない。
・技術的には、集約する立場のものがフィードを直打ちして、そこにPodcastsのリンク先を列挙する方法がある。
iTunesでは、代表になる題名が表示されるけど、その先に集めてきたPodcastがぶらさがってる感じ。
・そっか。技術的にはできそうだ。
しかし、相手の名前の前に、自分の番組名が出てしまう訳だから、扱わせてもらうときには、説明と承諾がいるね。
●iTunesってどういう売り場?
・iTunesって、100円均一ショップみたいだね。
ものの販売価格は決められちゃってるし、広告掲載も駄目らしいし。
売り場の制限が多い。
どういう思想なんだろう?
・iPod購入の動機になれば良いと。
それ以外の哲学とか無いでしょう。
(意訳追加:事実、稼ぎどころになってるのはiPodの売上だし)
・そういうなかにあるPodcastsって、フライヤーみたい。
つか、本格的な内容を載せても、300円で売られちゃうんであれば全然つりあわない。
だから300円で売られてもメリットを生み出せるようなコンテンツとか仕組みに変容しないといけないよね。
(意訳追加:ダウンロードコンテンツを配信するってことは、タダでデータがコピーされる可能性が付きまとう。
これをダメージと捉えるのが今あるコンテンツデータ。逆にコピーされて広まることをバイラル効果というメリットに転換できるものならOKってこと。DRMを厳密化するより有効だと思われる)
・iTunesで稼ぐより、そこから誘引した例えば完全版本編とか高画質DVDで稼ぐ。みたいな。
・でも、その手法がとれるのは、メジャータイトルだけだよ。
・けど、あらかじめ1時間くらいの尺で、一つのストーリーを作って、それを5分ぐらいで区切って、毎週入れ替えながら提供するのはありそう。
で、しばらくしたら一本まとめた状態でDVDになるとか。
関連して、
・Podcastingポータルについて。
どこか作るんだろうか。
けど、現状iTunesがあそこまで席巻してる中、新たに作るのってどうなんだろう?
利用できるもんは利用しとけって方向に流れそう。
・でもさ、iTunes、そんなに使い勝手よくないよね。検索性とか。
ちがう切り口でサービスができそうなところはある。
ただ、Podcastingにどれだけのユーザーがいて、儲かる規模になってるかという部分があるよね。
・いまはポータル的に位置づけられてるところも、最初はWebdogのコメント欄でやり取りされたことにヒントを得てやってみたって部分があるらしい。
まず、インデックスを作る事ありきみたいな大げさなことでなく、やりたいやつが、やりたい事を叶えていくうちに、自然とポータルになっていくんじゃないかな。
●今後のPodcastingの方向性。
・ブログの延長でやってるか、別の構成で面白さを出せてるかで、勝負が分かれてくる気がする。
たとえば、いしたにさんのPodcastingなんかは、もともと音響屋さんな事もあって、音作りの面白さっていう見所がある。
でも、毎回わけがわからないPodcastingを出しちゃう所とか、攻める方向性が振れてしまったPodcastingだと、ついていけないことがある。
・Podcastingって、一つ一つ再生ボタンを押して聞くよりも、録りためておいて、あとは流しっぱなしで視聴できるスタイルがいい。
夜、ドックに挿して新しいのを一括ダウンロード。翌朝、更新されたやつを流しっぱなしにしてる、みたいな。
掛けっぱなしのラジオとか音楽と同じ使われ方か。
だから、iPodシャッフルのユーザーがどう動いていくのかが興味深い。
・ビデオの場合って、「ながら」視聴ってできないんだよね。
撮りためたものを流しっぱなしにするのが、使われ方の落ち着きどころだとしたら、合わないなあ。
(意訳追加:視聴するための動機がなくても、何となく見る。そんなところに向けて出すのは、なさそうだな。
しかし、テレビのテロップのように、読ませることで目を話させないようにするってアプローチもあるね。)
・ラジオ番組がPodcastingに参入したでしょ。
たとえばテレビがビデオポッドにスティングに参入してくるとしたら?
・テレビで流したドラマやアニメがそのまま来る事はあり得ないでしょう。
あれを本丸とするなら、本丸を紹介するのが目的の「TBS クラブ・シックス」とか、そういう誘導型番組が来るとおもう。
あとは、はなまるマーケットみたいな、時期にあわせた情報番組。
・正直に言っちゃうとね。
僕、PSPでVodcastingやってみたけど、エンコードしていれたヤツとか、ダウンロードしたヤツとか、1回しか見ないんだ。
落とした時に見て、あとは「ふーん」と。
自分のレポートでもそうだもん。
だから、いっぱい溜められるからって、それが魅力の核というのもちょっと違うかな。
たった一度きりの視聴機会にどれだけ込められるか。
というのと、必要なときに引っ張らせることができるかって部分が重要な気がする。
・だからほら、時期にあわせた情報番組なわけさ。
●受信環境について。
・PSPの無線LAN。あれを1日に1回でも活用できるユーザー(視聴者)ってどれくらいいると思う?
友人 / 知り合い / 見た事ある人全部ひっくるめても、自分を入れて5人ぐらいなんすけど。
・練馬じゃそういう話は聞かないね。山の手線内と、名阪の市街地くらいなもんでしょう。
そとのスポット使うには、別途契約もいるし。
屋外でなんかやるならケータイだって。
・う~ん。凄い少ない。
やれるってことと、実際やるってのは、別だね。
メインはPC使ってのダウンロードかな。
・ビデオiPod、もう入手した人がいるみたいだね。うらやましい。
Webdogで紹介してた変換ツールも動作してるらしいよ。
・WilcomのスマートフォンはWindows media対応らしいね。
Flashもいけると。
・Flashのなかに販売サイトへのリンクを書いたりして、販売につなげるみたいな事はできそう。
・スマートフォン、実際どれくらい売れるんだろうね。
・年度末までに10万台とか言ってるんだって。
達成できるか未知数だけどさ。
それくらい勢い込んでやると。
(意訳追加:旧DDIポケットでエッジが出たとき、初期からコアユーザーになったのは20後半~30台のビジネスマン男性。ニーズのほとんどはデータ通信。次いで音声品質だった。 技術的知識取得に積極的で、価値判断と他社とのメリット比較を自分で行える人々がユーザーの性質であるとのマーケットレポートを読んだ事がある。
スマートフォンも同様の層に響く商品ならば、そのプラットフォームで視聴されやすい番組の方向性というのが当然あるだろうな。
今ある素材のファイルバリエーションを単純に増やせば良いってものじゃなさそうだ)
●広告としてはどうよ?
・マスの制作費におんぶに抱っこだね。マスが無かったら制作費大赤字。
こういっちゃアレだけど、代理店が出す見積は、マスは膨らませられるところ。
そして、「効果上げましょうよ。折角やるんだし。」っつうことでプロモーション費用が出るでしょ。
プロモーションは見積の上ではオマケみたいに書かれてるからね。
けど、お客さんは、マス特にテレビ以外のプロモーションはそのオマケ価格が当然だと思っちゃう。
Web製作もその世界だからさ。
凝ったフィルム載せますよ。といっても、TV用で捉えるんではなく、Web用のFlashムービーみたいに扱われちゃう。
・それじゃあ、ペイしないねえ。
・うん、結局はリーチ率の規模の問題なんだよね。
(意訳追加:テレビなら1%=120万視聴。10%=1200万視聴取れれば商品になるという世界。1時間で1200万PVいけるコンテンツができますか?っていわれたらグの音もでない。)
・ま、もろもろな背景でVodcastingがそれなりに盛り上がったとしても、テレビCMに即とって変わるかっていったら、まだ壁がある。
(後日のニュース:GyaOの会員数が310万人を突破したそうな。VODがテレビCMに取って代われない根拠が規模の問題だったけど、少なくとも広告ツールとしての重要性は上がってると思う。)
(意訳追加:テレビをタイミングフリー・ロケーションフリーにする仕組みがどんどん整いつつある。
動画を再生できるポータブルプレイヤーも増えてきたし。
そして配信方法としてのモデルも、GyaOの例から「アリ」。とすれば、今はまだまだでも、今後どうにかなるかも。
テレビ局がGyaO型の配信を始めて、広告代理業とメディアバイイングとメディアが合体→スゲー丸儲け。って構図ができなくも無い。
その前に、メディアは商業的立場から離れるべきだ。との行政判断が働くかな?)
・ただ、そのマスのリーチ率云々についても、広告主から「ホントのところ、実効性ってどうよ?」と監視の目を向けられている。
リーチ率を取れたとしても、効果が見える何かというところで、高いハードルが待ってるんだ。
●関係ないけどさ。
ニンニク、焼過ぎで焦げちゃったよ。
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